結婚へのチャンス
結婚へのチャンス

男女交際

子どもたちの交際とおかあさん

もてることは悪くない
ある高校生のおかあさんが、品川孝子さんに相談して言うには、「うちの娘は、男友だちが多くて、世間態がはばかられます。どうしたらいいでしょうか」とのこと。「そのは学友ですか?どんな感じの人たちですか。と聞いてみると、「多くが同級生で、私に会えばあいさつもするし、自己紹介もきちんとできる青年たちです。みな気持がよくて、不良だとか、グレン隊などにはとても見えません」という答え。そこで品川さんは、「\"もてる\"ということは一つの天性で、それはむしろ喜ぶべきことなのです。男友だちの中で人気があるということを罪悪視してはいけません。おかあさんが見て気持のよい人たちなら、その交擦はつづけさせておいてよいでしょう。外国では、幼いときからの体験で、自分が異性にもてない人間であることがわかると、女性でも結婚に執着せず、早くから職業人として独立するよう心がけています」と話したそうです。娘や息子のよい交際を育ててやる大きな力は、おかあさんの賢明さです。父親は、社会へ出て忙しく働く人、子どもたちのこまかい心のひだの陰まではわかりません。母親はいつでもそれを敏感にキャッチして、父親との間のよい橋渡しになってやれなければ困ります。そして、いま娘や息子がしている交際は未来のある健全なものか、それともよいかげんの危険なものであるかを見抜けるほどの関心をもっていてほしいのです。「母親の聡明な心の働きがあるかないかで、子どもたちが幸福にも不幸にもなる」とは、山下氏のことばです。
よい相談相手に
母親は、いつも子どものよい相談相手であり、常々正しい交際のあり方を、子どもたちに語って聞かせられる人であってほしいと思います。西洋では、おかあさんは、自分の若いときの経験に照らして、子どもたちの動きを知り、また正しい指導もしてやれます。多くの母親が、子どもの喜び、苦しみをいっしょに実感できるのです。「その点、日本のおかあさんは、自分が男女交際の経験がないから、どうしたらよいかわからなくてつらいですね」といった外国帰りの婦人もあります。「ジェーンへの手紙」(シュルツ著、村岡花子訳)は、寄宿舎にいる娘にあてて、母親が書き送った手紙です。母の過去の経験、今の男性観、その扱い方等々を、自信をもって娘に話しかけています。日本には、こういうおかあさんがいるでしょうか。また西洋人は、自分の家庭とともに両親、特に母を非常に誇りにしています。だから、母親のいうことには、実にすなおです。いくつになっても「おふくろなんか、古くてだめだ」などとは言わないということを、アメリカやドイツに少しでも、暮らしてきた人は、必ず言います。
教えたうえで責任は子どもに
欧米の母は、いろいろと自分の体験を語った後に、「しかし、あなたのことはあなたで解決なさいよ。責任はあなたが負うのですよ。おかあさんは助言しかしてあげられない」と教えるそうです。「男女交際は、だれに責任をもってもらうものでもない。あたたかい家庭や周囲の理解こそ期待はしても、すべての責任は自分たちにあるのだ。よい交際をするのも、しないのも、そして、それでしあわせをつかむのも、つかまないのも、みんな自分の責任のもとにあるのだ」と教えられているので、彼等はかえって無軌道なあやまちは起こすことが少ないのだといわれています。
何を教えるか
人とつき合う態度を教える クリスチャンの秋吉米夫人は、お子さんたちを育てるのに、どんなグループにあっても、建設的な生き方をする人間になれ、という考え方を基本にしてきました。また、自分も人も不完全なものなのだから、謙虚に人を許すことのできる人間になれとも、日ごろ話しています。特に自分より弱い立場の人に対しては、同じ兄弟として神がつくられた人に対して、どういう態度をとったらよいかをよく理解させるようにしているので、特に男女交際のあり方は教えなくとも、その人間としての基本的なつき合いの態度の中で、適齢期になれば結婚、家庭を考え、自分の伴侶を自分で考えるだろう、と秋吉さんは子どもさんたちを信じています。二番目のお嬢さんは、中学を卒業すると、アメリカに行き、高校、大学を終えて、看護婦となりました。このお嬢さんとは、こまかいことまで手紙で語り合い、遠く難れて、よけい身近に感じられるような思いだったそうです。いっも秋吉さんが言うことは「不完全な人間のことだから、まちがいを犯すことがあるかも知れない。しかし、そのあやまちを次への階段に使えるような人になりなさい」ということ。お壌さんは、教会で知り合ったボーイフレンドについて、こまごまと報告していましたが、そのうち婚約したいと思っている、と言ってきました。それに対して、秋吉夫人は、「結婚な簡単なことではないから、自分たちが今後の夢にえがいている生活を、自分自身も、先方も、いろいろな点から検討してごらんなさい。そのあとは自分で、神に祈って考えなさい。それでしあわせになれる見通しがついたら、自分の考えを実行しなさい」と手紙を書いたそうです。その後、お嬢さんは思いどおりに結婚しましたが、秋吉さんは、新郎に未だに会ったことがありません。新郎からは、「あなたの誇りうるような息子になるつもりだ。そして二人でできるだけよい家庭をつくります」と手紙が来たそうです。しかし秋吉さんは、「娘がアメリカへ行った当初、いろいろと不慣れな生活にとまどうのを手紙で助けたように、今後日本へ帰ってきて、日本の様子がわからなくて困ることがあれば、そのときはまたそれで、私が助けてあげればよい」と安心しているようです。もう一つつけ加えて「子どものときから、\"選択の基準\"ということは、たいせつだと思い、自分の理想はいつもできるだけ高いところにおくように育てました。娘が、私のいないところでも、最高の選択ができるだろうと安心していました」とも言っています。家庭でのしつけの根本を人間のあり方において教育したからには、どこへ手放してやっても子どもを信じることができるーこれが秋吉夫人の母親としての謙虚な自信なのです。
性教育を 
もう一つ家庭、特におかあさんに要求されることは、男女の性教育を徹底することです。品川孝子さんは、男の子が声変りしたとき、女の子が初潮を見たときに、両親ははっきりと教えてやる義務があると言っています。その中心点は、「よい子孫を残すために、みんなに責任があるということ。どういう男女交際が正しいか。どんなに親しい友だちとも、限度あるつき合いをするということ。妊娠の可能性について」などです。
今の日本では、女の子は初潮のときの指導などで、かなり正しい知識をもちますが、男の子はほとんど野放しです。友人間の興味本位の話題や雑談などからの知識なので、科学性、倫理性に欠けたものを身につけていることが多いのです。そこに、男女交際を危ぶむ声も起こってくるのですが::男の子に対しての教育が、どこの家庭でも、また学校でももう少し徹底的にされることが望ましいと、品川さんは言っています。